「試薬の日」制定について
日本試薬協会が3月9日を「試薬の日」に制定しました。
日本で初めて試薬という言葉を使った津山藩医で幕末の蘭学者であった「宇田川榕菴」(うだがわ ようあん)の生誕日に因んで3月9日(1798年)としました。シーボルトとも親交の深かった宇田川榕菴は試薬一覧の「舎密(せいみ)試薬編」を著し、後に欧州の化学書を翻訳した「舎密開宗」(せいみかいそう)では、試薬使用の凡例にかなりの試薬をあげて、その使い方や注意を記しています。
舎密(せいみ)とは、化学を意味するオランダ語の「Chemie」の音訳であります。試薬を始めとして、酸素、水素、窒素という元素名や酸化、還元、分析といった日本における化学用語のほとんどは宇田川榕菴が考えたと言われています。