業界を知る

試薬について

試薬とは?

試薬は、試験研究用に供する小分けされた化学薬品のことで、化学的性質から無機化合物と有機化合物とに分類されます。その範囲は多岐に亘りますが、その用途や品質から以下のように分類することができます。

1.一般用試薬

大学の研究室で利用するような酸、アルカリ、又は有機溶剤等に代表されるような試薬を一般用試薬と呼びます。通常の研究室において、用途を限定せず利用できる試薬です。特定用途向けの試薬とは異なり、幾つかの等級とそれに応じた規格に分類され、利用される方の試験目的、分析目的に応じた等級の試薬を利用することになります。一般には、JIS規格が定められており、品質水準に応じて試薬特級、試薬1級として区別されています。JIS規格に該当する規格がない製品等については、当社のような製造業会社が独自規格で出荷する品目もあります。通常は、各社によって規格された特級、1級、GR、EP等の等級に分類されます。

2.特定用途試薬

試薬は、分析用機器を用いて利用されることも多く、それぞれの機器と用途によって求められる品質に違いがあり、用途によっては特別な品質精度が要求される場合もあります。分析機器や用途により以下のような特定用途試薬があります。

3.標準物質・標準液類

化学分析で濃度決定、検量線作成、機器校正等に用いられる薬品に、標準物質や標準液類といったものがあります。これらは様々な分析値の基準となるものです。

4.生化学用試薬

生化学用試薬では、アミノ酸、タンパク質、酵素、糖、脂質、核酸等の動物、植物、微生物の生体成分そのものから免疫化学研究、組織培養研究、ペプチド合成研究、生理活性物質の応用研究等、その用途は非常に多岐に亘ります。最近でも、生化学や遺伝子工学の発達に伴い、日々新しい生化学用試薬が数多く製品化されています。

5.臨床検査用試薬

臨床検査とは、患者に直接行われる生体検査と生体由来試料を用いて行れる検体検査に分類されます。このような検体検査に利用される試薬を一般には臨床検査薬、臨床検査用試薬、自動分析機用試薬などと呼んでいましたが、昭和60年より「体外診断用医薬品」として再定義され、その範囲及び取扱基準が明確にされているものです。

業界を知る

日本試薬協会