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試薬業界について

 世の中で利用される様々な製品は、どれもたゆまぬ研究開発から産み出されるものです。試薬は、これら研究開発における「スターティングマテリアル」として、あらゆる産業界において化学、生物、材料等の研究・試験の場から、病院・研究機関で行われる臨床検査や環境分析等の広範囲な分野で利用されています。

 2010年、経済産業省がまとめた「化学ビジョン研究会報告書」では、21世紀"産業の化学化"を宣言しています。1980年代の産業は、「エレクトロニクス化」により、ICの高集積化と標準化をもたらし、我が国においても世界的競争力を持つ多くの電子部品メーカーが登場しました。2000年代の産業は「IT化=インターネットの高度化」によりグローバルな情報の標準化をもたらしました。しかし、IT化の主役は日本企業ではなく欧米の先進性に溢れるベンチャー企業でした。2010年代、これからは全ての産業において"化学化"が進み、あらゆる産業が化学技術の差別的導入なしに高付加価値化できない新たな産業構造が到来すると言われています。特定機能化学分野において、多くの世界的リーディングカンパニーを産み出してきた日本の化学が改めて主役となる「化学産業の時代」の到来です。

 このような時代の中で重要な社会的使命を担っているのが、私たち試薬の製造・販売会社であると認識しています。一般には馴染みの薄い試薬業界ですが、私たちキシダ化学も設立の一端を担った日本試薬協会は50余年の歴史を刻み、100社を超える会員企業が集まっています。決して大企業の集まりではない私たち試薬企業ですが、その大きな社会的使命を全身で受け止め、科学技術の進歩と社会の発展のために日々活動しています。

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日本試薬協会